SaaSの請求書払いでは、利用開始前または請求書払いへの変更時に、SaaS提供会社や決済代行会社の審査が行われることがあります。ただし、すべてのサービスで審査があるとは限らず、審査の有無や確認項目、支払い条件はサービスごとに異なります。
申し込む前に、審査の対象、支払期限、手数料、利用限度額、支払い遅延時の扱いを確認することが重要です。
SaaSの請求書払いで審査されることはある
請求書払いは、SaaSを先に利用し、後日まとめて料金を支払う後払いの契約です。提供会社から見ると、利用後に代金を回収する形になるため、契約先の信用状況や支払い能力を確認する場合があります。
一方、請求書を発行しているだけで、必ず厳しい信用審査が行われるとは限りません。請求書払いの仕組みが、SaaS提供会社の社内運用なのか、決済代行会社や請求代行サービスを利用したものなのかによっても、審査方法は変わります。
審査で確認されやすい項目
具体的な基準は一般に公開されていないことが多いものの、次のような情報が審査や取引条件の判断に使われる可能性があります。
- 会社名、所在地、電話番号、法人番号などの基本情報
- 申込者の所属や請求担当者の連絡先
- サービスの利用人数、契約プラン、想定利用額
- 請求先と実際の利用者が一致しているか
- 支払条件や請求書の送付先、経理処理の方法
- 過去の支払い遅延や未払いの有無
- 法人・個人事業主などの事業形態
特に、利用額が大きい場合や、利用人数が多いプランを請求書払いで申し込む場合は、前払い・カード払いよりも追加確認が行われることがあります。ただし、どの項目が審査結果にどの程度影響するかは、提供会社によって異なります。
請求書払いの審査に必要になりやすい情報
申し込み時には、会社情報と請求に必要な情報を正確に入力します。情報に誤りや不足があると、審査に時間がかかったり、担当者から追加確認を受けたりすることがあります。
- 正式な法人名または屋号
- 本店所在地や事業所所在地
- 代表電話番号
- 法人番号などの登録情報
- 担当者の氏名、所属、メールアドレス
- 請求書の宛名と送付先
- 希望する契約プランと利用開始時期
個人事業主や設立直後の法人などは、サービスによって確認書類が追加される場合があります。必要書類が明記されていない場合は、請求書払いを申し込む前に、提供会社へ必要書類の有無を確認すると手戻りを減らせます。
審査に通らない、または請求書払いを使えない場合がある
審査結果によっては、請求書払いを利用できない、利用限度額が設定される、保証金や前払いを求められるといった対応になる可能性があります。
ただし、審査に通らなかった理由を提供会社が詳しく開示するとは限りません。公開されていない基準を推測して、「売上が少ないから」「設立年数が短いから」などと断定することはできません。
請求書払いが利用できない場合の支払い方法として、クレジットカード払い、口座振替、前払いなどが用意されていることがあります。ただし、代替手段の有無や利用条件はSaaSごとに異なるため、申込前に確認してください。
請求書払いを利用する際の注意点
支払期限と締め日を確認する
「月末締め翌月末払い」のように、利用期間、請求書の発行時期、支払期限を確認します。同じ月額料金でも、サービスによって請求の起点や支払期限が異なるためです。
支払期限を過ぎると、遅延損害金、利用停止、契約解除などの対応が行われる可能性があります。具体的な扱いは契約書や利用規約、請求書の記載を確認してください。
請求書の発行方法と手数料を確認する
請求書がメールや管理画面から発行されるのか、郵送されるのかを確認します。請求書発行手数料、郵送手数料、決済手数料などが加算されるサービスもあるため、月額料金だけで利用総額を判断しないことが大切です。
手数料がある場合は、次のように月額料金と分けて計算します。
1か月の支払額=月額料金+請求関連の手数料+その他の有料オプション料金
税の扱いも含め、税込・税別のどちらで表示されているかを確認してください。
最低契約期間と解約の締切を確認する
請求書払いで契約しても、月単位で自由に解約できるとは限りません。最低契約期間、自動更新の有無、解約申請の締切、契約期間中の返金の扱いを確認します。
解約を申し込んだ日ではなく、次回更新日の何日前までに手続きが必要かで判断される場合もあります。
利用限度額や利用人数の変更条件を確認する
利用人数や契約プランを増やすと、請求金額が変わるだけでなく、請求書払いの限度額や再審査の対象になることがあります。
大人数で導入する場合は、次の点を契約前に確認します。
- 利用人数の上限
- プラン変更時の料金計算方法
- 月途中で追加した場合の日割り計算の有無
- 請求書払いの利用上限額
- 契約変更時に再審査があるか
支払い方法と振込手数料の負担者を確認する
請求書払いでも、銀行振込、口座振替、決済代行サービス経由など、支払い方法は一つとは限りません。振込手数料を利用者が負担するのか、指定口座以外から振り込めるのかも確認が必要です。
経理部門で処理する場合は、請求書の宛名、登録番号の記載、明細の内容、発行形式が社内ルールに合うかを確認してください。インボイス制度への対応状況など、会計処理に関わる事項はサービス提供会社の請求書や案内で確認します。
支払いが遅れた場合のサービス停止条件を確認する
支払いが遅れると、督促の後に利用停止となる場合があります。停止までの期間や再開条件はサービスごとに異なるため、「数日遅れても利用できる」とは考えないでください。
業務に欠かせないSaaSでは、管理者アカウントだけでなく、保存データや連携機能が利用できなくなる可能性も考え、契約前にデータの保存・エクスポート方法を確認しておくと安心です。
申込前に確認するチェックリスト
請求書払いを申し込む前に、次の項目をサービス提供会社の料金表、利用規約、申込画面、契約書で確認します。
- 請求書払いを利用できる対象者
- 法人、個人事業主、個人の利用可否
- 審査の有無と、審査完了までの目安
- 提出が必要な情報や書類
- 締め日、請求日、支払期限
- 税込・税別の表示
- 請求書発行手数料や振込手数料
- 最低契約期間と自動更新
- 解約申請の期限
- 利用人数や契約金額の上限
- 支払い遅延時の利用停止条件
- 請求書の宛名や会計処理に必要な記載
請求書払いにするか判断するポイント
請求書払いは、社内の支払いルールに合わせやすく、毎月の利用料をまとめて経理処理したい場合に向いています。一方で、カード払いなどと比べて、審査や契約手続きに時間がかかる場合があり、手数料や最低契約期間が設定されていることもあります。
次のように、社内の条件とサービスの条件を照らし合わせて判断します。
| 重視する条件 | 確認する内容 |
|---|---|
| 経理処理のしやすさ | 請求書の形式、宛名、明細、発行方法 |
| 資金繰り | 利用開始から支払期限までの期間 |
| 費用 | 月額料金、手数料、振込手数料、税の表示 |
| 契約の柔軟性 | 最低契約期間、解約期限、プラン変更条件 |
| 導入の早さ | 審査の有無、必要書類、利用開始までの手順 |
特に確認すべきなのは、請求書払いが「誰でも使える支払い方法」なのか、「審査を通過した法人だけが使える支払い方法」なのかという違いです。申込画面に請求書払いの選択肢があっても、利用可否が確定しているとは限らないため、審査後の条件まで確認してください。
まとめ
SaaSの請求書払いでは、提供会社や決済代行会社による審査が行われることがありますが、審査の有無や基準はサービスごとに異なります。
申し込む際は、会社情報を正確に提出したうえで、支払期限、手数料、最低契約期間、解約期限、利用限度額、支払い遅延時の扱いを確認してください。請求書払いを利用できるかだけでなく、契約後にいくら、いつまでに、どの方法で支払うのかを把握してから申し込むことが重要です。







