SaaSのリード獲得チャンネルには何がある?

SaaSのリード獲得チャンネルには何がある?

SaaSのリード獲得チャンネルには、検索流入を得るコンテンツマーケティング、広告、メール、営業活動、展示会・ウェビナー、パートナー紹介、口コミなどがあります。どのチャンネルが向いているかは、対象企業の規模、検討期間、導入単価、意思決定者に届くかどうかで変わります。

1つのチャンネルだけに頼るのではなく、認知を広げる施策と、比較・問い合わせにつなげる施策を組み合わせることが重要です。

SaaSのリード獲得チャンネル一覧

主なSaaSのリード獲得チャンネルは、次のとおりです。

チャンネル 主な施策 向いているケース
検索・コンテンツ SEO記事、導入事例、ホワイトペーパー 課題や導入方法を検索する見込み客を集めたい場合
オンライン広告 検索広告、SNS広告、ディスプレイ広告 短期間で特定の対象へ接触したい場合
メール・ナーチャリング メルマガ、ステップメール、セミナー案内 すぐに商談化しない見込み客を継続的に育成したい場合
営業活動 電話、メール、問い合わせフォームへの連絡 対象企業や役職を絞って接点を作りたい場合
イベント 展示会、カンファレンス、ウェビナー 複数の関係者へまとめて説明したい場合
パートナー 代理店紹介、共催、連携サービスからの送客 自社だけでは届きにくい業界や顧客層へ広げたい場合
紹介・口コミ 顧客紹介、レビュー、ユーザーコミュニティ 既存顧客の信頼を新規獲得につなげたい場合
プロダクト内の導線 無料トライアル、フリーミアム、紹介機能 実際に使ってから導入を判断してもらえる場合

検索・コンテンツマーケティング

検索・コンテンツマーケティングは、見込み客が検索する課題や導入条件に合わせて情報を提供し、資料請求や問い合わせにつなげる方法です。

たとえば、次のようなコンテンツが考えられます。

  • 業務上の課題を解決する方法を説明する記事
  • 自社サービスと他の方法を比較する記事
  • 導入事例や活用事例
  • 料金や機能の説明
  • チェックリストやテンプレートなどの資料
  • 導入前に確認すべき点をまとめたホワイトペーパー

検索経由のリードは、課題やサービスを自分から調べている可能性があります。一方で、記事を読んだだけでは導入意欲や対象顧客への適合度が分からないため、資料のダウンロード後にフォームの回答や閲覧ページを確認し、商談化の条件を整理する必要があります。

オンライン広告

オンライン広告には、検索広告、SNS広告、ディスプレイ広告、業界メディアへの掲載などがあります。検索広告は顕在化した課題に対応しやすく、SNS広告やディスプレイ広告は、まだサービスを知らない層への認知に使われることがあります。

広告から直接問い合わせを得るほか、ホワイトペーパーやウェビナーへの申込みを広告の目的にする方法もあります。SaaSは検討から契約まで時間がかかることがあるため、広告経由の申込数だけでなく、商談化率や受注につながった割合まで確認することが大切です。

広告費を使えば必ず質の高いリードが得られるとは限りません。広告の対象、訴求内容、申込後のフォロー方法を分けて検証します。

メールマーケティングとリードナーチャリング

メールマーケティングは、獲得済みのリードに役立つ情報を継続して届け、導入を検討するタイミングまで関係を保つチャンネルです。すぐに営業へ引き渡せないリードにも使えます。

配信内容の例は、次のとおりです。

  • 課題別のノウハウ
  • 新しい導入事例
  • ウェビナーや相談会の案内
  • 機能追加や活用方法の紹介
  • 導入検討時のチェックポイント

すべての登録者へ同じメールを送るのではなく、資料をダウンロードした人、ウェビナーに参加した人、無料トライアル中の人など、行動や検討段階に応じて内容を変えると判断しやすくなります。

営業活動によるアウトバウンド

営業活動では、対象企業を選び、電話、メール、手紙、問い合わせフォームなどで接点を作ります。自社の条件に合う企業へ直接アプローチしやすいことが特徴です。

特定の業界や企業規模に強いSaaS、導入単価が高いSaaS、個別提案が必要なSaaSでは、アウトバウンドが有力な選択肢になります。

ただし、企業情報を集めただけで導入ニーズがあるとは限りません。対象企業の業務課題、連絡する担当者、提案内容、連絡頻度を整理し、相手にとって関係のある情報を届ける必要があります。

展示会・カンファレンス・ウェビナー

展示会やカンファレンスは、特定の業界やテーマに関心がある人と直接接点を持てるチャンネルです。ブースでの説明や名刺交換だけで終わらせず、リードの関心度と次の連絡方法を記録します。

ウェビナーは、遠方の見込み客にも説明しやすく、参加者の課題や関心テーマを把握しやすい方法です。開催後は、参加者と欠席者を分け、視聴状況やアンケート内容に応じてフォローします。

イベントでは多くの名刺や申込情報を得られる場合がありますが、件数が多いことと商談につながりやすいことは同じではありません。開催費用や準備工数も含めて、商談や受注まで確認します。

パートナー経由のリード獲得

パートナー経由では、代理店、コンサルティング会社、SIer、関連サービスの提供会社などから紹介を受けます。すでに顧客との関係を持つ会社と組めば、自社だけでは接点を作りにくい顧客層へ届く可能性があります。

パートナーを選ぶときは、顧客層が合っているか、紹介後の営業やサポートをどちらが担当するか、契約や報酬の条件が明確かを確認します。紹介数だけでなく、紹介された企業の適合度や成約後の継続状況も判断材料になります。

顧客紹介・口コミ・レビュー

既存顧客からの紹介や口コミは、実際の利用経験をもとに検討してもらえるチャンネルです。導入事例、レビューサイト、ユーザー会、紹介プログラムなどが該当します。

紹介を増やすには、利用成果を確認しやすくすること、顧客が紹介しやすい資料を用意すること、紹介後の対応方法を決めておくことが必要です。紹介特典を設ける場合は、対象者、条件、提供時期を事前に明確にします。

口コミやレビューは自社で内容を断定できるものではないため、良い評価だけを前提にした訴求ではなく、導入前の期待値と実際の利用条件を正確に伝えることが重要です。

無料トライアルやフリーミアムによる獲得

無料トライアルやフリーミアムは、見込み客が実際にサービスを使い、価値を判断できるチャンネルです。利用開始をリード獲得と考える場合は、登録後の利用状況をもとに営業やサポートへつなげます。

この方法は、操作だけで価値が伝わりやすいSaaSに向いています。反対に、初期設定やデータ連携が複雑なサービスでは、無料期間だけでは評価しにくいことがあります。その場合は、導入ガイドや初回設定の支援も必要です。

見るべき指標は登録数だけではありません。初回ログイン、主要機能の利用、複数ユーザーの追加、継続利用、商談化など、価値を体験するまでの行動を確認します。

SaaSのリード獲得チャンネルを選ぶ基準

チャンネルは、次の5つの基準で選ぶと整理しやすくなります。

  1. 見込み客がどこで情報収集するか:検索、展示会、紹介、営業連絡など、対象者の行動に合わせます。
  2. 検討期間がどのくらいか:検討期間が長い場合は、コンテンツやメールで継続的に接点を作ります。
  3. 誰が意思決定するか:利用者、責任者、決裁者が異なる場合は、それぞれに必要な情報を用意します。
  4. 1件のリードにかけられる費用と工数:広告費だけでなく、制作、営業、イベント運営の工数も含めて比較します。
  5. 商談・受注まで測定できるか:リード数だけでなく、商談化率、受注率、顧客獲得単価、継続状況を確認します。

たとえば、検索される課題が明確で、比較検討に時間がかかるSaaSなら、コンテンツとメールの組み合わせが考えられます。対象企業を絞りやすく、営業が個別提案できるSaaSなら、アウトバウンドやパートナー施策が候補になります。

チャンネル別に確認したい指標

リード獲得チャンネルの評価では、獲得件数だけで判断しないことが重要です。少なくとも、次の流れをチャンネル別に確認します。

  • リード獲得数
  • 対象顧客に合うリードの割合
  • 商談化数・商談化率
  • 受注数・受注率
  • 顧客獲得単価
  • 契約後の継続状況

チャンネルによって、成果が表れるまでの期間は異なります。短期の問い合わせ数だけで検索施策やイベントを判断せず、設定した検討期間に合わせて比較します。

まとめ

SaaSのリード獲得チャンネルには、検索・コンテンツ、広告、メール、営業、イベント、パートナー、紹介、無料トライアルなどがあります。

選ぶときは、見込み客の情報収集場所、検討期間、意思決定者、費用と工数を確認してください。最初は対象顧客に届きやすいチャンネルを少数選び、リード数ではなく商談や受注まで測定して、継続する施策を判断します。